コロナ散歩で絵手紙―8

 

 この絵手紙シリーズも5月初めからスタートしてから2か月余り続けていることになる。始めたころはコロナもこんなに長くなるとは思わなかったし、HP記事の埋め草くらいのつもりで、遊び半分で投稿し始めたものだが、今となっては長い間、自分のつたない趣味に皆さんを付き合わせて申し訳ないような気がしている。これもコロナの被害だと思って我慢していただきたい。

 

今回、①②③は川口駅周辺で「ライオン像」、「そごう遠景」、「川口駅前の西公園」

「川口駅前のライオン像」についての話だが、川口駅前のビルにデカいライオンが乗っている。なんでも25mあるそうで、パチンコ屋の宣伝用に作ったそうだが、今はそのパチンコ屋は撤退して、ライオンだけが寂しくとり残されて吠え続けている。昔は目が光ったり、足が動いたりしたそうな。とにかくデカいから地震の時に落っこちてこないか心配している人もいるらしい。

 

ここで、「虎を描きて狗(いぬ)に類す」ということわざがある。これは絵の下手な人のたとえ(「後漢書」馬援伝)だが、私の絵手紙の場合「獅子を描きて狗に類す」だ。やはり下手の諺そのままだ。ならば、今回「家の飼い犬を見て描けば、きっと獅子になったに違いない。」 なぜなら「円山応挙の虎の絵は自分の家の飼い猫を見て写生したに違いない。」からだ。(江戸時代には日本には虎はいなかった。(丸谷才一「猫のつもりが虎より」から)。

 

④⑤⑥「ウナギの谷田川本店」、道端の雑草「どくだみ」、「南浦和駅東口」

「うなぎ」は浦和の名物だが、浦和に来てからもう20年以上にもなるが、高価でそう何回も口にできたわけではない。それでも関西育ちの私にはこちらの「関東風」の「うなぎのかば焼き」は「関西風」とはかなり違うことに気が付いていた。

そこでちょっと調べたところ、まずはその調理方法で、「関東のウナギ」は焼く前に蒸すという。これは、気の短い江戸っ子に料理を素早く提供できるように、白焼きをして箱に入れて蒸らしておき、お客が来たら余熱で柔らかくなったうなぎをタレ焼きにして出す。こうすることでうなぎも柔らかくなり、調理の時間も短縮出来るようにしたらしい。現在は蒸し器や圧力鍋で蒸しているものの、それが関東風として受け継がれているようだ。

また、うなぎの裂き方に違いがあるという。これには諸説あるそうだが、一説として、江戸では侍が多く「切腹」を連想させるので背開きとし、大阪は商人文化の町なので「腹を割って話す」ということから腹開きになったという説。これは味とはあまり関係ないと思うし、理由もこじつけの感じで信じがたい。

 

関西では、「うな丼」のことを「まむし」という。これは蒸さずに焼いた地焼のうなぎをご飯の上にのせ、さらにうなぎの上にご飯をかぶせることで地焼の堅めのうなぎが、程よく蒸されたうな丼になる。語源はご飯で蒸すから「まんまむし」とか、うなぎの上にご飯をまぶすから「まぶし」、そして「まむし」になったとも言われている。


 
関東風の蒸し焼きと、関西風の地焼を地域で分けるとすると、どうやら浜松あたりから諏訪湖までの天竜川沿いのようだ。浜松あたりでは関西風のお店と関東風のお店が混在し、諏訪湖周辺の諏訪市では関東風と関西風が混在するが岡谷市では関西風となるようだ。

 

⑦⑧⑨は「埼玉大学正門」、「埼大キャンパス」、散歩道の夏花「ペチュニア」

2020年7月15日 竹原 貞夫 投稿